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 低炭素社会の実現に向けて、世界的に再生可能エネルギーの利用拡大が求められている。日本では太陽光発電がその中心的な役割を担うものとして期待されており、2030年に全戸建住宅数の約3割にあたる1400万戸(容量ベースで1戸あたり5KWpとすると70GWpに相当)に太陽電池パネルを設置するという高い目標が立てられている。しかしながら、2009年の国内導入実績はシリコン系太陽電池を中心として約0.6GWpにとどまっており、目標とのギャップは大きい。
 これらに対し、次世代型太陽電池として大幅な発電コストの低減が期待される色素増感型や有機薄膜型などの有機系太陽電池が注目されている。有機系太陽電池は、シリコン系太陽電池に比べCO2ペイバックタイムも短く環境負荷の低いプロセスでの大量生産が可能で、素材の多様性もあり大きな魅力を秘めている。なかでも色素増感太陽電池の研究開発は着実に進んでおり、デザインを重視したインテリアになる太陽電池や、屋外用高耐久性モジュールも作成されている。
 われわれは、有機系太陽電池の高性能化に向けた研究を進めている。なかでも、色素増感太陽電池の高効率化に向けて近赤外光を吸収できる新しい材料として多様なポルフィリン複核錯体や近赤外電荷移動吸収を持つ各種の化合物について研究を進めている。また最近、アクセプター性有機電子材料として知られるジシアノメチレン化合物が、酸化チタンと化学反応して界面錯体を形成し、電荷移動遷移により可視から近赤外領域に幅広い吸収を示すことを見出し、この電荷移動遷移を作動原理とする新型太陽電池を作成することに成功している。さらに、高効率かつ高耐久性の太陽電池の実現に向け、可溶性ポリチオフェン誘導体と酸化チタンからなる有機無機ハイブリッド太陽電池や量子ドット増感太陽電池、ナノメートルサイズの人工無機粘土鉱物を用いた太陽電池電解液のゲル化などの研究を行っている。一方、太陽電池最大の欠点である光強度に依存する出力変動を抑制する目的で、蓄電機能を内蔵したエネルギー貯蔵型色素増感太陽電池(ES-DSSC)を開発している。
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  • 2014 11 09
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