低炭素社会に資する有機系太陽電池の開発
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研究概要
  •  本プロジェクトでは低炭素社会の実現に向けて太陽光発電の導入加速を目指し、次世代低コスト太陽電池の本命である有機系太陽電池を産官学のオールジャパン体制で開発する。

      有機系太陽電池は、従来型シリコン太陽電池に比べ製造時のCO2排出量が少なく原材料の資源的制約も少ないうえ、大面積化や高速印刷製造が可能で低価格化できる。また、カラフルでフレキシブルにもなることから、新規用途の開拓で市場拡大も見込まれ、CO2削減に大きく貢献することが期待される。その製造には、日本が得意とするナノ材料技術、有機材料技術、印刷技術等を駆使することができ、新規企業の参入も見込まれる。色素増感太陽電池、有機薄膜太陽電池、有機無機ハイブリッド太陽電池、電気をためられる太陽電池など、さまざまな次世代太陽電池の実用化が期待できる。
  • 研究の意義
  •  太陽光発電は、わが国のエネルギー源の多様化とCO2削減に大きく貢献するものであり、その技術を発展させ革新的次世代型太陽電池を生み出すことは、国際戦略上も極めて重要である。再生可能エネルギー普及拡大の鍵を握るのが低コスト、低CO2の有機系太陽電池である。わが国の有機系太陽電池の研究は世界最高レベルにあり、あと一歩で実用化できる段階に来ている。本プロジェクトでは、産官学のオールジャパンで研究開発を進め世界に先駆けて有機系太陽電池の実用化を目指す。色素増感太陽電池と有機薄膜太陽電池の基本的原理には共通する部分があり、個々の研究グループが得意とする技術を結集し、オールジャパン体制で日本発の世界最高性能の有機系太陽電池を実現することには大きな意義がある。今回のプロジェクトでは、色素増感太陽電池と有機薄膜太陽電池にそれぞれ優れた実績を挙げているグループが相互に連携する。有機系太陽電池の実用化には、材料科学、理論化学、分光計測、高分子化学、電気化学など基礎に戻った研究が必要である。さらに、(財)神奈川科学技術アカデミーには認証データ計測センターを設置する。また、東京大学は国際戦略企画室を設置し、有機系太陽電池の製品化に必要な国際標準化を進める予定である。  以上のように、本研究では、これまで多くの研究グループに分散していた知見・研究開発資源を結集し、オールジャパン体制で世界最高性能の有機系太陽電池をいち早く実現し、国際競争に打ち勝つ研究開発を進める。
  • 目標
  •  本プログラムの目標は、有機系太陽電池の実用化加速である。このため、研究期間内で耐久性向上と変換効率向上とともに標準化を積極的に進める。期待される成果のインパクトとしては、実用化の第一段階として各種携帯機器や電化製品ならびに屋内用途用太陽電池を製品化する。次に実用化第二段階として、屋外用太陽光発電システムを開発する。前者は、早期実用化を目指す。後者は、変換効率と耐久性の向上が必要であり、本プロジェクトで基礎に遡って幅広く研究を進め、一部は早期の製品化を目指す。
     色素増感太陽電池の目標は、耐久性向上とともに変換効率向上であり、基礎に遡って要素技術を開発する。有機薄膜太陽電池の目標は、劣化や電荷トラップ等の科学的知見を体系化し、それに基づいた高効率化と高耐久化設計指針を確立し実用化に繋げることである。
     以上の開発を加速するため、理論計算による基礎科学の確立、新高分子材料の探索、時間分解分光によるメカニズムの研究、電気化学的な構造構築法と解析、などを並行して進める。製造プロセスについては、印刷技術を用いたプロセスでの生産に適用可能な製品を設計する。さらに電気をためることができる太陽電池の実用化を目指す。
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